時事通信社
2007年・事前企画記事

「並んでください」と指導員
 =五輪控えてもマナー定着なお遠し=

【北京だより】
整列乗車を指導する作業員(橙色の服を着た人たち) 朝晩めっきり冷え込むようになった北京。バスの混雑時は、少々厚着になった市民をぎゅうぎゅう詰めにして走っている車両ばかり。バス停で待つ人は、何とか乗車しようと押し合いへし合いで相当に無理をする。
 時には殺気立つ乗客を列に並ばせるのが、小旗を持った「整列乗車指導員」の役目。この仕事を始めて間もないという40歳代の女性は「嫌な思いをしたことがない。みんなよく並んでいますよ」と話す。だがよく見ると、指導を無視する若い男性、割り込んで知らん顔で乗車する中年男性などさまざまだ。
 指導員の言葉に顔をしかめるおばあさんがいた。47歳の女性指導員が丁寧に「並んでください」と言うと、「並ばないよ」とおばあさん。それでも、この指導員は「こんなことはよくある。一緒に並ぶと(列が)込んでいるので嫌なのでしょう。いろんな人がいるから」。あくまで指導係で「権限」はなく、目くじらを立てるわけでもない。
 4年目のこの指導員は「並ばない人より並ぶ人の方が多い。特に地方から来た人はマナーが悪いが、北京の人もまだマナーを意識していない」と説明。指導員がいなくなると列は崩れ、市民はわれ先にと先を争う。マナーの定着は、なお遠い。
 北京五輪を控え、北京市は今年2月から毎月11日を「列に並ぶ日」に定めるなど、公衆マナーの改善に躍起だ。少なくともバス乗車に関しては、市民のマナーが良くなったといわれる日まで、指導員はきょうも「並んでください」と呼び掛けている。(北京時事) 写真説明:バス停で旗を振りながら、整列乗車を指導する作業員(橙色の服を着た人たち)(中国・北京) (配信:2007/11/14)

   

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