時事通信社
北京まで100日!

いざ、「ママでも金」
 =外国選手に絶対的強さ=

女子48キロ級決勝で山岸絵美を攻める谷亮子 北京五輪の日本勢で主役となるべきエース2人が、4月に五輪代表の座をつかんだ。柔道女子48キロ級の谷亮子(32)=トヨタ自動車=と競泳男子平泳ぎの北島康介(25)=日本コカ・コーラ=だ。谷は夏季五輪で日本選手初の5大会連続出場となり、3連覇、5大会連続メダルという偉業が懸かる。北島も、アテネ五輪に続く100、200メートルの2冠獲得に挑む。近況をリポートする。

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 谷は言う。「五輪を前に、いい経験をさせてもらった。修正して北京を迎えたい」。長く世界の女王に君臨してきた不動のエース。そんな言葉も心境も、過去4度の五輪前にはなかったはずだ。
 北京五輪代表最終選考会の全日本選抜体重別選手権は、決勝で若手の山岸絵美(三井住友海上)に完敗した。先に効果のポイントを奪いながら、2つの技の有効ポイントを返されるという屈辱的な内容だった。だが、実績が評価されて代表入り。
 出産のため連覇が6で途絶えていた昨年の世界選手権で復活優勝。その時点で北京切符獲得が確実視されていたことから、心に緩みがあった。「気持ちの引き締まり、盛り上がりが足りなかった」。悪びれず、言い訳もせず、自らの失態を認めた。それを五輪本番の原動力とするのだろう。
 外国選手に対する強さには定評がある。組まずに足を狙いにくる奇襲への対応力は、他の日本選手には見られない。全日本選抜体重別の初戦では、足を取りに覆いかぶさってきた相手を、右組みの谷は左からの内またでポイントを奪った。
 父の勝美さんは「左右、同じように技を出せるようにやっている。そうでないと五輪では通用しない」。32歳で一児の母。速さとスタミナを求めるのは酷だ。積み重ねた経験からの技への適応能力と試合運びの巧みさが勝負を左右する。
 日本女子の阿武教子コーチは「かつての強さがないのは本人も分かっている。それでも、外国人には勝てるだろう」と分析する。母として初めて臨む五輪。家族とともに歩む、「ママでも金」への挑戦が始まった。(了) 写真説明:女子48キロ級決勝で山岸絵美(三井住友海上)を攻める谷亮子(トヨタ自動車)(福岡国際センター)【時事通信社】 (配信:2008/4/23)



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