時事通信社
北京まで半年!

五輪連覇へ、試練乗り越えるか―吉田沙保里
 =無敵の女王「悔しさ忘れない」=

練習を再開した吉田沙保里 無敵の女王が受けたショックは、なかなか癒えなかった。「思い出すだけで涙が出た。何も考えられなかった。(タックルを)返されたシーンが浮かんで眠れなかった」。女子レスリングの吉田沙保里(25)=綜合警備保障=は敗戦直後の数日間を、そう振り返る。
 1月19日。中国での国別対抗戦、ワールドカップ(W杯)で伏兵の米国選手に判定負けした。2001年全日本選手権の山本聖子戦以来の黒星で、国内外の連勝記録は119でストップ。中学生で国際大会にデビューした1996年から続け、「生きがいだった」という外国人相手の無傷の連勝も止まった。
 両親への電話で泣きじゃくり、2日後に帰国した際も報道陣の前でまた涙。だが、一週間で100通近くに上ったメールや手紙で激励され、やっと落ち着く。五輪への道を吉田に阻まれた山本、坂本日登美(自衛隊)の優しい言葉に「自分より悔しい思いをしている人がいる」と胸に刻んだ。
 「大変な連勝を重ねた分(負けを)乗り越える苦しさもある。だが、過去の栄光は忘れて結果をしっかり受け止め、切り替えて対処していかないと」。大相撲で史上2位の幕内53連勝の記録を持つ九重親方(元横綱千代の富士)はそんなエールを送る。
 五輪2連覇へ、どう立て直すか。昨年は世界選手権5連覇を果たしたが、今は試練の時。連勝ストップを象徴するW杯の銅メダルを意識して自宅に飾り、「絶対に悔しさを忘れない。北京で金メダルを取る」と誓った。(了) 写真説明:連勝記録ストップ後、北京五輪に向け練習を再開した吉田沙保里(左、綜合警備保障)(愛知・大府市の中京女子大)【時事通信社】(配信:2008/2/4)



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