時事通信社
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支え合い、姉妹の夢へまっしぐら
 =「ラストチャンス」の思いも=

伊調千春(左)、馨の姉妹 レスリング女子の伊調千春、馨(ともに綜合警備保障)の姉妹は口をそろえる。「2人で金メダルを取らないと意味がない。二つで一つの金なんです」。目標は北京五輪での姉妹同時優勝。アテネ五輪で果たせなかった夢の実現を固く誓う。
 4年前のアテネ。妹の馨は63キロ級で見事に金メダルを獲得したが、48キロ級で銀に終わった姉、千春の無念を思うと、心から喜べなかった。当時の2人の複雑な思いが今の出発点だ。特に千春には、「今度こそ」という強い意気込みがある。
 同五輪翌年の不振を乗り越え、2006年の世界選手権で復活優勝。昨年の同選手権ではアテネ五輪女王のメルレニ(旧姓メルニク、ウクライナ)に決勝で雪辱し、連覇を果たした。それでも、満足はしていない。母校中京女大での練習だけでは物足らず、今年2月に2人で韓国合宿を敢行。5月に姉妹で海外武者修行をする青写真もある。「自費でも行きたい。やるべきことはすべてやったという気持ちで、北京のマットに上がりたい」と千春は言う。
 そんな姉を支えてきたのが馨だ。昨年の世界選手権前、姉の練習相手を務め、自分のこと以上に熱心にメルレニ対策に取り組んだ。「千春がいるから力が半分にもなり、倍にもなる」が馨の口癖。自身の同選手権5連覇という偉業も、姉がいてこそという思いがある。
 3月のアジア選手権では世界選手権覇者としてそろって貫録勝ち。きちょうめんな26歳の姉とおおらかな23歳の妹が、結束して北京へ突き進む。所属先の大橋正教監督は、姉妹の決意を感じ取っている。「何かを吸収しようという姿勢をひしひしと感じる。(同時金メダルは)ラストチャンスかもしれない、という思いもあるのではないか」(了) 写真説明:レスリングアジア選手権で優勝した女子48キロ級の伊調千春(左)、女子63キロ級の馨の姉妹(いずれも綜合警備保障)(韓国・済州島)【時事通信社】(配信:2008/4/4)



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