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「金逃し」選手にも温かく

表彰台をしめる中国選手 開幕ダッシュに成功し、メダルレースを独走する中国。15日夜までに金24個を量産、2位の米国に大差をつけた。開催国として国民がゴールドラッシュに浮かれ、メダルの色に目の色を変えているかと言えば、意外とそうでもない。事前のキャンペーンの成果か、トップランナーの余裕か。金を逃した選手へのまなざしも温かい。
 男子エアライフルで銀メダルだった朱啓南は表彰台で顔をくしゃくしゃにして泣いた。アテネの金メダリストとして連覇を逃した悔しさからだった。競技初日の9日、金メダル第1号になれなかった女子エアライフルの前回覇者、杜麗も中国中央テレビのインタビューを受けているうち、おえつが止まらなくなった。
 だが、2人に対する非難めいた声はほとんど聞かれない。「表彰台の涙」は国内メディアに大きく取り上げられ、朱は「プレッシャーに耐え、よく頑張った」とたたえられた。メダルに届かなかった他の有力選手や「惜しくも銀」だったアスリートに対しても同様だ。
 北京市民は「昔とずいぶん変わった」と言う。開会式の聖火点火者に選ばれ、再び注目を集めた李寧は、中国初参加のロサンゼルス五輪で体操金メダリスト。しかし次のソウル五輪では金を取れず、国民から袋だたきに遭ったという。当時はまだ「国を背負った」意識が強かったらしい。
 北朝鮮の選手はいまだに祖国を背負わせられている。女子重量挙げで12年ぶりの金メダルを取ったパク・ヒョンスクは「将軍様(金正日総書記)も喜んでくださる。建国60周年の贈り物にしたい」と語った。異様さを感じたのだろう、中国紙はわざわざこの発言を見出しにしていた。(北京時事)
地元の利をいかして中国勢が大活躍。表彰台で2人以上を中国選手がしめるのもざらだ=北京 (配信:2008/8/18)



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