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快適「世界最速列車」の旅にわな

世界最速列車 天津といえば、「天津甘栗」を頭に浮かべるが(実際に駅や空港で売られていた)、楽しみが 一つあった。北京五輪に合わせて8月1日に北京と天津の間に世界最速の鉄道が開業したと聞いていたからだ。  売り文句は、「最高時速350キロ。フランスのTGVを抜き、軌道式では世界最速の営業運転路線」。北京五輪では、陸上男子100メートルの地上最速男争いが待ち遠しいが、一足早く「世界一」の速さを体験してみることにした。
 乗ってみた。列車は8両編成の全席指定。外観は、「まるで日本の新幹線」。高速運転でも揺れはなく、北京〜天津間120キロを30分で結ぶ。ミネラルウオーターのサービスもある。これで料金は1等車69元(約1100円)、2等車なら58元(約900円)。以前に乗ったことがあるロンドンの地下鉄初乗り運賃(4ポンド�約840円)とほぼ同じという驚きだ。
 こう書くと、快適な移動だったように思われるかもしれないが、ところが、どっこいである。
 まず大変なのが、北京の始発となる北京南駅にたどり着くまで。地下鉄はまだ乗り入れてないため、車で向かったが、渋滞天国の北京。北京市内北の報道拠点のメーンプレスセンターから約15キロの距離を行くのに、朝の通勤時間帯には40分〜50分は優にかかる(ちなみにタクシー料金は世界最速電車より高い!)。
 天津から北京に戻ってくる時は、さらに一苦労だ。天津駅の切符自動券売機は「調整中」。仕方なく窓口に並ぶのだが、そこは長蛇の列。蒸し暑いというのに、冷房も利いていない。開会式があった8日正午前は、切符を手に入れるまで汗だくになりながら40分かかった。これでは、電車の速さをいくら自慢しても、本末転倒に思える。
 中国の変貌(へんぼう)ぶりは目覚ましい。ただ、ハード面の充実が先行し、ソフトの方がまだ追い付いてないような気がする。もしかしたら、高度成長期の日本もそうだったのかもしれない。国家の悲願だった五輪開催を契機に、中国がこれからさらにどう変わっていくか。楽しみにしたい。(北京時事)
写真説明 北京五輪前に開業した北京と天津を結ぶ「世界最速」の列車。外観は日本の新幹線そっくり=天津駅で(配信:2008/8/13)



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