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五輪ヒストリー

古橋「幻の金メダル」=第14回ロンドン(1948年)

古橋広之進 戦争によって中断されていた五輪は12年ぶりに復活したが、日本とドイツは招待されなかった。これを悔しがった日本オリンピック委員会(JOC)総務主事で日本水連会長の田畑政治は、ロンドン大会と同じ日程で水泳の日本選手権を東京で開催。当時、世界でトップレベルにあった日本水泳会の実力を世界に示した。1500メートル自由形では古橋廣之進18分37秒0、橋爪四郎が18分37秒8の世界新記録を樹立、ロンドン大会優勝者のタイムを40秒以上も上回った。古橋は400メートル自由形でも4分33秒4をマーク、五輪の優勝記録を7秒6上回った。
 ロンドン大会でヒロインとなったのは、陸上競技に出場したオランダのフランシナ・ブランカース・クン夫人。30歳で2児の母であるクン夫人は、80メートル障害、100メートル、200メートルに優勝、400メートルリレーではアンカーとして4人をごぼう抜きにして優勝、金メダル4個を手にした。
 【日本人メダリスト】日本不参加
(配信:2008/5/12)

◎【その時世界は】
 戦乱の時代を経て国家独立の動きが広まったが、それは新たな分断と対立をもたらすことにもなった。前年、インドがイギリスから独立し、パキスタンもインドをまたいで東西で分離独立したが政情は不安定で、48年、「インド独立の父」と呼ばれたガンジーが暗殺された。またイスラエルがユダヤ人国家として独立を宣言するが、周辺アラブ諸国と摩擦が激化、第1次中東戦争が始まった。一方、朝鮮半島では米国の後押しを受けた李承晩が大韓民国樹立を宣言したが、その直後に金日成が社会主義体制の朝鮮民主主義人民共和国を樹立、民族分断の構図が出来上がった。同様に49年には西ドイツがドイツ連邦共和国として成立し、ドイツが東西に分離。また中国では毛沢東によって中華人民共和国が成立したが、国民党政府との間で火種が残った。(了)

1948年、東京の神宮プールで当時の400メートル、1500メートル自由形世界記録を上回るタイムを連発した古橋広之進【時事通信社】

※主要参考資料
近代オリンピック100年の歩み(ベースボールマガジン社)、最新スポーツ大事典(大修館書店)、オリンピックの事典(三省堂)、国際オリンピック委員会の百年(IOC)、日録20世紀(講談社)、JOCホームページ、熊本県和水町ホームページ

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