時事通信社
五輪ヒストリー

「人間機関車」ザトペック=第15回ヘルシンキ(1952年)

エミール・ザトペック チェコスロバキアのエミール・ザトペックが陸上の5000、1万メートルとマラソンの3種目に優勝。陸上長距離3冠を達成した。特に、マラソンの優勝記録2時間23分3秒2は当時としては驚異的で、スタジアムの観客をあ然とさせた。苦しげな表情と荒い息づかいで走ることから「人間機関車」と呼ばれた。彼の妻、ダナ・ザトペコワもこの大会のやり投げで金メダルを獲得した。
 初参加のソ連が、米国の40個に次ぐ22個の金メダルを獲得、スポーツ大国としてデビューした。16年ぶりに五輪復帰を果たした日本は、レスリング・フリースタイルの石井庄八が唯一の金メダル。水泳では3種目で銀メダルを獲得したが、体調が万全でなかった古橋廣之進は400メートルで8位にとどまった。
 【日本人メダリスト】
 ▼金=石井庄八(レスリング・フリーバンタム級)
 ▼銀=鈴木弘(競泳・100メートル自由形)、橋爪 四郎(競泳・1500メートル自由形)、鈴木 弘・浜口 喜博・後藤暢・谷川禎次郎(競泳・800メートルリレー)、北野 祐秀(レスリング・フリーフライ級)、上迫 忠夫(体操・徒手)、竹本 正男(体操・跳馬)
 ▼銅=上迫 忠夫(体操・跳馬)、小野喬(体操・跳馬)
(配信:2008/5/12)

◎【その時世界は】
 前年調印された対日講和条約(サンフランシスコ条約)と日米安保条約が正式に発効、日本は米国の傘の下で独立を回復した。戦争をテーマにした映画「禁じられた遊び」が公開され、連続ラジオドラマ「君の名は」が始まったのもこの年。1950年に勃発した朝鮮戦争の特需で日本の景気は拡大期に入った。(了)

ヘルシンキ五輪で5000メートルを快走するチェコの「人間機関車」、エミール・ザトペック(左)【AFP=時事】

※主要参考資料
近代オリンピック100年の歩み(ベースボールマガジン社)、最新スポーツ大事典(大修館書店)、オリンピックの事典(三省堂)、国際オリンピック委員会の百年(IOC)、日録20世紀(講談社)、JOCホームページ、熊本県和水町ホームページ

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