時事通信社
五輪ヒストリー

南半球での初開催=第16回メルボルン(1956年)

ソ連赤軍の戦車 初の南半球での開催となったメルボルン大会は北半球と季節が逆になるため、11月22日から12月8日までの日程で行われた。18競技153種目が実施されたが、オーストラリアでは馬の検疫に半年も必要なことから、馬術だけはストックホルムでの分離開催となった。
 体制の違いから分裂した国の参加問題では、東ドイツが、西ドイツとの合同チームを作るとの条件付きで国際オリンピック委員会への加盟を認められ初参加。しかし、中国は台湾の参加に反発、選手団の派遣を中止した。開幕前月にはハンガリーのブタペストで反ソ暴動が起き、ソ連は軍事力でこれを鎮圧。また、イスラエルがシナイ半島に侵攻し、英仏両国も軍事介入したスエズ動乱に抗議してオランダ、レバノンなどが大会不参加を表明した。
 競泳では地元オーストラリアが男女13種目中8種目に優勝。男子200メートル平泳ぎでは古川勝が潜水泳法で金メダルを獲得したがこの大会限りで潜水泳法は禁止となった。
 【日本人メダリスト】
 ▼金=古川勝(競泳・200メートル平泳ぎ)、小野喬(体操・鉄棒)、笹原正三(レスリング・フリーフェザー級)、池田三男(レスリング・フリーウエルター級)
 ▼銀=山中毅(競泳・400メートル自由形、1500メートル自由形)、吉村昌弘(競泳・200メートル平泳ぎ)、石本隆(競泳・200メートルバタフライ)、小野喬・竹本正男・河野昭・相原信行・塚脇伸作・久保田正躬(体操、団体総合)、小野喬(体操・個人総合、あん馬)、久保田正躬(体操・平行棒)、相原信行(体操・徒手)、笠原茂(レスリング・フリーライト級)
 ▼銅=竹本正男(体操・鉄棒、平行棒、つり輪)、小野喬(体操・平行棒)、久保田正躬(体操・つり輪)
(配信:2008/5/12)

◎【その時世界は】
 12月の国連総会で日本は、80番目の加盟国として加盟が認められた。これに先立ち日本とソ連が11年ぶりに国交を回復。日本は徐々に国際社会に復帰していった。この年、経済企画庁は「経済白書」の中で「もはや戦後ではない」と記し、流行語になった。また、日本住宅公団の2DK団地への入居が始まり、人々のあこがれの的に。テレビが普及し始めて、米国ではエルビス・プレスリー人気に拍車が掛った。(了)

ハンガリーの首都ブダペストを占拠したソ連赤軍の戦車【AFP=時事】

※主要参考資料
近代オリンピック100年の歩み(ベースボールマガジン社)、最新スポーツ大事典(大修館書店)、オリンピックの事典(三省堂)、国際オリンピック委員会の百年(IOC)、日録20世紀(講談社)、JOCホームページ、熊本県和水町ホームページ

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