時事通信社
五輪ヒストリー

東洋の魔女=第18回東京(1964年)

入場行進する日本選手団 アジアで初めての開催となった東京大会は93カ国・地域が参加、20競技で熱戦を展開した。この大会から五輪競技に加えられたのが柔道とバレーボール。4階級が行われた柔道では、無差別級でアントン・ヘーシンク(オランダ)が優勝、日本の全種目制覇を阻んだが、女子バレーボールでは「東洋の魔女」が金メダルに輝いた。決勝のソ連との一戦は、85%のテレビ視聴率だったと言われる。日本は金16、銀5、銅8のメダルを獲得、重量挙げフェザー級の三宅義信が日本の金メダル第1号だった。
 体操男子個人総合では遠藤幸雄が日本選手として初優勝、女子個人総合はチェコの「名花」ベラ・チャスラフスカがラリサ・ラチニーナ(ソ連)との競り合いに勝ち初制覇。陸上男子100メートルではボブ・ヘイズ(米国)が10秒0で世界一速い男に。アベベ・ビキラが2連覇したマラソンでは、円谷幸吉が銅メダルと健闘。競泳女子100メートルではドン・フレーザー(豪州)が3連覇を達成した。
 【日本人メダリスト】
 ▼金=小野喬・遠藤幸雄・鶴見修治・山下治広・早田卓次・三栗崇(体操・団体総合)、遠藤幸雄(体操・個人総合、平行棒)、山下治広(体操・跳馬) 、早田卓次(体操・つり輪)、三宅義信(重量挙げ・フェザー級)、吉田義勝(レスリング・フリーフライ級)、上武洋次郎(レスリング・フリーバンタム級) 、渡辺長武(レスリング・フリーフェザー級) 、花原勉(レスリング・グレコフライ級)、市口政光(レスリング・グレコバンタム級)、中谷雄英(柔道・軽量級)、岡野功(柔道・中量級)、猪熊功(柔道・重量級)、桜井孝雄(ボクシング・バンタム級)、河西昌枝・宮本恵美子・谷田絹子・半田百合子・松村好子・磯部サダ・松村勝美・篠崎洋子・佐々木節子・藤本佑子・近藤雅子・渋木綾乃(バレーボール・女子)
 ▼銀=鶴見修治(体操・個人総合、あん馬、平行棒) 、遠藤幸雄(体操・床運動) 、神永昭夫(柔道・無差別級)
 ▼銅=円谷幸吉(陸上・マラソン) 、福井誠・岩崎邦宏・庄司敏夫・岡部幸明(競泳・800メートルリレー) 、出町豊・小山勉・菅原貞敬・池田尚弘・佐藤安孝・小瀬戸俊昭・ 南将之・森山輝久・猫田勝敏・樋口時彦・徳富斌・中村裕造(バレーボール・男子)、池田敬子・ 相原俊子・小野清子・中村多仁子・辻宏子・千葉吟子(体操・女子団体総合) 、堀内岩雄(レスリング・フリーライト級) 、一ノ関史郎(重量挙げ・バンタム級) 、大内仁(重量挙げ・ミドル級) 、吉川貴久(射撃・フリーピストル)
(配信:2008/5/12)

◎【その時世界は】
 東京五輪を足掛かりに、日本は高度成長期に。新幹線が開業したのもこの年。米国では黒人解放運動の指導者マーチン・ルーサー・キング牧師がノーベル平和賞を受賞。その前年、首都ワシントンでは人種差別反対の大行進が行われる一方、差別撤廃に前向きだったケネディ大統領が暗殺されるなど衝撃的事件も起きた。跡を引き継いだジョンソン大統領はベトナム戦争への関与を深め、翌 65年には北爆を開始する。(了)

92カ国・地域が参加した東京五輪。開会式で入場行進する日本選手団【時事通信社】

※主要参考資料
近代オリンピック100年の歩み(ベースボールマガジン社)、最新スポーツ大事典(大修館書店)、オリンピックの事典(三省堂)、国際オリンピック委員会の百年(IOC)、日録20世紀(講談社)、JOCホームページ、熊本県和水町ホームページ

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