時事通信社
五輪ヒストリー

血塗られた祭典=第20回ミュンヘン(1972年)

男子バレーボール 大会11日目の9月5日早朝、パレスチナ・ゲリラ8人が選手村のイスラエル選手団宿舎に侵入。選手団のうち2人を射殺した後、9人を人質にしてイスラエルに抑留されているアラブ人の釈放を要求した。同日夜、ゲリラは人質とともにミュンヘン郊外の飛行場に移動したが、そこで警官隊との銃撃戦が発生し、人質全員が死亡。ゲリラも5人が射殺され、3人が逮捕された。国際オリンピック委員会(IOC)は会期を一日延長しての競技続行を決定。6日午前、メーンスタジアムで犠牲者をしのぶ追悼式が行われた。
 競泳ではマーク・スピッツ(米国)が100、200メートル自由形、バタフライ、リレーなど合わせて7種目に金メダル。日本勢も健闘し、男子100メートル平泳ぎで田口信教、女子100メートルバタフライで青木まゆみが金メダル。東京3位、メキシコ2位の男子バレーボールも念願の金メダルを手にした。
 【日本人メダリスト】
 ▼金=田口信教(競泳・100メートル平泳ぎ)、青木まゆみ(競泳・女子100メートルバタフライ) 、中村祐造・南将之・猫田勝敏・木村憲治・野口泰弘・森田淳悟・横田忠義・大古誠司・佐藤哲夫・嶋岡健治・深尾吉英・西本哲男(バレーボール・男子)、加藤沢男・中山彰規・塚原光男・監物永三・笠松茂・岡村輝一(体操・団体総合)、加藤沢男(体操・個人総合、平行棒)、中山彰規(体操・つり輪)、塚原光男(体操・鉄棒)、加藤喜代美(レスリング・フリー52キロ級)、柳田英明(レスリング・フリー57キロ級)、関根忍(柔道・中量級)、川口孝夫(柔道・軽量級)、野村豊和(柔道・軽中量級)
 ▼銀=監物永三(体操・個人総合)、笠松茂(体操・平行棒)、加藤沢男(体操・鉄棒、あん馬)、中山彰規(体操・床運動)、和田喜久夫(レスリング・フリー68キロ級)、平山紘一郎(レスリング・グレコ52キロ級)、松村勝美・山下規子・岩原豊子・飯田高子・生沼スミエ・古川牧子・浜恵子・島影せい子・山崎八重子・塩川美和子・白井貴子・岡本真理子(バレーボール・女子)
 ▼銅=田口信教(競泳・200メートル平泳ぎ)、中山彰規(体繰・個人総合)、監物永三(体繰・平行棒、あん馬)、笠松茂(体操・鉄棒、床運動)、塚原光男(体操・つり輪)、西村昌樹(柔道・重量級)
(配信:2008/5/12)

◎【その時世界は】
 2月のニクソン米大統領の電撃的な中国訪問と国交正常化は、アジアの地政学的状況を一変させた。中国敵視政策をとっていた日本は米国の「頭越し外交」に振り回される格好となったが、 9月に田中角栄首相が訪中して国交を回復させた。終戦後、米国に統治されていた沖縄が27年ぶりに返還され沖縄県が誕生、1つの「戦後」が終わった。一方、連合赤軍による浅間山荘たてこもり事件が発生、テレビの現場中継に国民が釘付けになったのもこの年。また、札幌冬季五輪では日本のジャンプ勢が金、銀、銅のメダルを独占、「日の丸飛行隊」と呼ばれた。(了)

メキシコ大会2位だった男子バレーボールは、ミュンヘンでついに念願の初優勝を決めた【時事通信社】

※主要参考資料
近代オリンピック100年の歩み(ベースボールマガジン社)、最新スポーツ大事典(大修館書店)、オリンピックの事典(三省堂)、国際オリンピック委員会の百年(IOC)、日録20世紀(講談社)、JOCホームページ、熊本県和水町ホームページ

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