時事通信社
五輪ヒストリー

「白い妖精」コマネチ=第21回モントリオール(1976年)

コマネチ 女子体操で新しいヒロインが生まれた。14歳のナディア・コマネチ(ルーマニア)。団体演技規定の段違い平行棒で五輪史上初の10点満点を出すと、自由の平均台、段違い平行棒でも満点の演技。個人総合と種目別で3つの金メダルを獲得、「白い妖精(ようせい)」と言われた。コマネチがこの大会で出した10点満点は全部で7回。電光掲示板には10.0の文字がなかったため、1.00と表示された。男子団体総合は日本がソ連0.4点の小差で逆転し、5連覇を達成したが、個人総合はニコライ・アンドリアノフ(ソ連)が制し、加藤沢男の3連覇と日本の4連覇を阻んだ。女子バレーボールで日本がソ連を破り8年ぶりに王座を奪回。
 大会は世界的なオイルショックの影響をまともに受けた。大会は世界的なオイルショックの影響をまともに受けた。物価の高騰で施設整備費用や開催経費が当初見通しの何倍にも膨れ上がり、大会は巨額の赤字を出した。
 【日本人メダリスト】
 ▼金=加藤沢男・塚原光男・監物永三・梶山広司・藤本俊・五十嵐久人(体操・団体総合)、加藤沢男(体操・平行棒)、塚原光男(体操・鉄棒)、高田裕司(レスリング・フリー52キロ級)、伊達治一郎(レスリング・フリー74キロ級)、園田勇(柔道・中量級)、二宮和弘(柔道・軽重量級)、上村春樹(柔道・無差別級)、飯田高子・岡本真理子・前田悦智子・白井貴子・加藤きよみ・荒木田裕子・金坂克子・吉田真理子・高柳昌子・松田紀子・矢野広美・横山樹理(バレーボール・女子)
 ▼銀=加藤沢男(体操・個人総合)、監物永三(体操・あん馬、鉄棒)、塚原光男(体操・跳馬)、蔵本孝二(柔道・軽中量級)、道永宏(アーチェリー)
 ▼銅=塚原光男(体操・個人総合、平行棒)、梶山広司(体操・跳馬)、工藤章(レスリング・フリー48キロ級)、荒井政雄(レスリング・フリー 57キロ級)、菅原弥三郎(レスリング・フリー68キロ級)、平山紘一郎(レスリング・グレコ52キロ級)、遠藤純男(柔道・重量級)、安藤謙吉(重量挙げ・バンタム級)、平井一正(重量挙げ・フェザー級)
(配信:2008/5/12)

◎【その時世界は】
 米ロッキード社製大型旅客機の全日空への売り込みに絡んだ一大疑獄、いわゆる「ロッキード事件」は田中角栄前首相が逮捕される事態に発展した。その2年前の74年には米国で、民主党本部盗聴事件(ウォーターゲート事件)でニクソン米大統領が辞任に追い込まれており、政治家の倫理に厳しい目が向けられるようになった。また73年の第1次石油危機で世界経済が混乱、日本ではトイレットペーパーの買い占め騒ぎが起きるなど消費者に不安が広がったのもこのころだ。(了)

女子体操で3つの金メダルを獲得したルーマニアの「白い妖精」コマネチ【AFP=時事】

※主要参考資料
近代オリンピック100年の歩み(ベースボールマガジン社)、最新スポーツ大事典(大修館書店)、オリンピックの事典(三省堂)、国際オリンピック委員会の百年(IOC)、日録20世紀(講談社)、JOCホームページ、熊本県和水町ホームページ

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