時事通信社
五輪ヒストリー

ユベロスの「魔法」=第23回ロサンゼルス(1984年)

カール・ルイス ピーター・ユベロス組織委員会委員長の下、民間資本だけで大会を組織・運営する独自の方式を確立、以後の五輪開催に1つの道をつくった。ユベロスは、テレビ放映権料の大幅アップ、1業種1企業に絞ったスポンサー協賛金、さらには聖火リレーの走者からも参加料金を徴収するなどのアイデアで次々と収入増を図った。一方で支出をぎりぎりに抑えた結果、2億1500万ドルの黒字を生み、五輪商業化の流れをつくった。
 陸上では地元米国のカール・ルイスが100、200メートル、400メートルリレー、走り幅跳びの4種目を制し話題を独占した。柔道の無差別級では山下泰裕が2回戦で右足ふくらはぎに肉離れを起こしながら決勝まで戦い金メダル。山下は2カ月後にアマチュアスポーツ界で初の国民栄誉賞を受賞した。西側諸国のモスクワ大会ボイコットの報復としてソ連、東ドイツなど16か国が参加しなかった。
 【日本人メダリスト】
 ▼金=具志堅幸司(体操・個人総合、つり輪)、森末慎ニ(体繰・鉄棒)、富山英明(レスリング・フリー57キロ級)、宮原厚次(レスリング・グレコ52キロ級)、細川伸ニ(柔道・60キロ級)、松岡義之(柔道・65キロ級)、斉藤仁(柔道・95キロ超級)、山下泰裕(柔道・無差別級)、蒲池猛夫(射撃・ラピッドファイアピストル)
 ▼銀=梶谷信之(体操・平行棒)、具志竪幸司(体操・跳馬)、森末慎ニ(体操・跳馬)、入江隆(レスリング・フリー48キロ級)、赤石光生(レスリング・フリー62キロ級)、長島偉之(レスリング・フリー82キロ級)、太田章(レスリング・フリー90キロ級)、江藤正基(レスリング・グレコ57キロ級)
 ▼銅=元好三和子(シンクロ・ソロ)、元好三和子・木村さえ子(シンクロ・デュエット)、江上由美・三屋裕子・石田京子・杉山加代子・宮島恵子・中田久美・森田貴美枝・広瀬美代子・広紀江・大谷佐知子・小高笑子・利部陽子(バレーボール・女子)、梶谷信之・山脇恭ニ・平田倫教・具志堅幸司・外村康ニ・ 森末慎ニ(体操・団体総合)、具志堅幸司(体操・鉄棒)、外村康ニ(体操・床運動)、高田裕司(レスリング ・フリー52キロ級)、斉藤育造(レスリング ・グレコ48キロ級)、真鍋和人(重量挙げ・52キロ級)、小高正宏(重量挙げ ・56キロ級)、砂岡良治(重量挙げ・82.5キロ級)、坂本勉(自転車・スプリント)、野瀬清喜(柔道・86キロ級)、山本博(アーチェリー)
(配信:2008/5/13)

◎【その時世界は】
 韓国の全斗煥大統領が来日。韓国元首の訪日は初めてで、両国間の長いわだかまりの歴史にようやく雪解けが訪れた。この年、日本人男性の平均寿命が74.2歳、女性が79.78歳となり、男女ともに世界一の長寿国となった。高齢化社会の始まりである。アップルコンピュータがパソコン「マッキントッシュ」を発売、コンピューターが身近な製品に。テレビCMに登場したエリマキトカゲが人気を呼んで、動物人気キャラの元祖的存在となった。(了)

陸上男子100メートル決勝。9秒99の記録で金メダルを獲得したカール・ルイス【時事通信社】

※主要参考資料
近代オリンピック100年の歩み(ベースボールマガジン社)、最新スポーツ大事典(大修館書店)、オリンピックの事典(三省堂)、国際オリンピック委員会の百年(IOC)、日録20世紀(講談社)、JOCホームページ、熊本県和水町ホームページ

五輪ヒストリー


北京五輪名場面集