時事通信社
五輪ヒストリー

日本勢、聖地で空前のメダルラッシュ=第28回アテネ(2004年)

日本体操陣 第1回大会以来108年ぶりに五輪発祥の「聖地」に戻った。日本選手団は史上最多の513人。女子で5つの団体球技が出場したことから、選手312人のうち初めて女子が男子を上回った。
 日本勢は序盤からメダルラッシュに沸き、柔道の女子48キロ級で谷亮子が連覇。「田村(旧姓)で金、谷でも金」と喜んだ。男子60キロ級でも野村忠宏が日本選手初の個人種目3連覇を果たし、柔道だけで男女8個の金メダル。競泳では男子平泳ぎで北島康介が100、200メートルの2冠、女子800メートル自由形で柴田亜衣が勝った。日本女子にとっては自由形種目での表彰台自体も史上初。体操男子は28年ぶりに団体総合を制し、「体操ニッポン」が復活した。女子マラソンで野口みずきが日本選手2連覇となる金。歴史上知られるマラトン―アテネ間の起伏が激しい難コースで強豪たちを抑えた。新種目のレスリング女子では55キロ級の吉田沙保里と63キロ級の伊調馨が金。陸上男子ハンマー投げの室伏広治は銀から繰り上がって金メダル。ドーピング検査で尿のすり替え疑惑が浮上した1位選手が再検査を拒み、失格となった。
 日本の金メダル数は、過去最多の東京五輪と並ぶ16。前回シドニー大会の3倍以上と大きく躍進し、銀9、銅12を含め史上最多のメダル37個を獲得した。
 【日本人メダリスト】
 ▼金=北島康介(競泳・男子100メートル平泳ぎ、男子200メートル平泳ぎ)、柴田亜衣(競泳、女子800メートル自由形)、野口みずき(陸上、女子マラソン)、室伏広治(陸上、男子ハンマー投げ)、米田功、冨田洋之、水鳥寿思、塚原直也、鹿島丈博、中野大輔(体操、男子団体総合)、野村忠宏(柔道、男子60キロ級)、内柴正人(柔道、男子66キロ級)、鈴木桂治(柔道、男子100キロ超級)、谷亮子(柔道、女子48キロ級)、谷本歩実(柔道、女子63キロ級)、上野雅恵(柔道、女子70キロ級)、阿武教子(柔道、女子78キロ級)、塚田真希(柔道、女子78キロ超級)、吉田沙保里(レスリング、女子フリースタイル55キロ級)、伊調馨(レスリング、女子フリースタイル63キロ級)
 ▼銀=山本貴司(競泳・男子200メートルバタフライ)、立花美哉、武田美保(競泳・シンクロデュエット)、立花美哉、武田美保、巽樹理、原田早穂、鈴木絵美子、藤丸真世、米田容子、川嶋奈緒子、北尾佳奈子(競泳・シンクロ・チーム)、冨田洋之(体操、平行棒)、伊調千春(レスリング、女子フリースタイル女子48キロ級)、伏見俊昭、長塚智広、井上昌己(自転車、チームスプリント)、泉浩(柔道、男子90キロ級)、横澤由貴(柔道、女子52キロ級)、山本博(アーチェリー、男子個人)
 ▼銅=森田智己(競泳、男子100メートル背泳ぎ)、中西悠子(競泳、女子200メートルバタフライ)、中村礼子(競泳、女子200メートル背泳ぎ)、森田智己、北島康介、山本貴司、奥村幸大(競泳、男子4×100メートルメドレーリレー)、鹿島丈博(体操、男子あん馬)、米田功(体操、男子鉄棒)、田南部力(レスリング、男子フリースタイル55キロ級)、井上謙二(レスリング、男子フリースタイル60キロ級)、浜口京子(レスリング、女子フリースタイル72キロ級)、関一人、轟賢二郎(セーリング、男子470級)、宇津木麗華、上野由岐子、坂本直子、乾絵美、伊藤良恵、岩渕有美、三科真澄、高山樹里、内藤恵美、佐藤由希、佐藤理恵、坂井寛子、斎藤春香、山田恵里、山路典子(ソフトボール)、三浦大輔、小林雅英、岩瀬仁紀、黒田博樹、上原浩治、清水直行、石井弘寿、安藤優也、松坂大輔、和田毅、岩隈久志、城島健司、相川亮二、宮本慎也、木村拓也、中村紀洋、小笠原道大、金子誠、藤本敦士、和田一浩、村松有人、谷佳知、高橋由伸、福留孝介(野球)
(配信:2008/5/13)

◎【その時世界は】
 イラクの人道復興支援のため、自衛隊の第1陣が1月からイラク南部のサマワに向けて派遣された。自衛隊員の武器使用をどうするかなど多くの問題をはらんだままの支援活動となった。また、山口県で、国内で79年ぶりとなる鳥インフルエンザが発生したほか、新潟県では震度6強の中越沖地震が発生、山間部の高齢者らに大きな被害が出た。インドネシアのスマトラ島沖地震で大津波が発生、周辺各国の合計で死者・行方不明者は22万人を超えた。この年、紙幣が20年ぶりに刷新され、1万円札が福沢諭吉、5000円札が樋口一葉、1000円札が野口英世となった。(了)

男子団体総合で28年ぶりに金メダルを獲得し、表彰台で笑顔を見せる日本体操陣【時事通信社】

※主要参考資料
近代オリンピック100年の歩み(ベースボールマガジン社)、最新スポーツ大事典(大修館書店)、オリンピックの事典(三省堂)、国際オリンピック委員会の百年(IOC)、日録20世紀(講談社)、JOCホームページ、熊本県和水町ホームページ

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