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アテネの思い後輩へ
 =北京の400リレー支えた土江氏

 北京五輪で陸上日本代表が獲得したメダルは、男子400メートルリレーの銅1つだけだった。日本勢がトラック種目でメダルを手にしたのは80年ぶり、男子では初。この快挙は日本陸連の土江寛裕・短距離副部長が支えていた。
 日本男子はアテネ五輪で史上最高の4位に入っていた。今回のメンバーで2走の末続慎吾(ミズノ)、3走の高平慎士(富士通)、アンカーの朝原宣治(大阪ガス)は4年前を経験。アテネで1走を務めた土江副部長に代わり、今回は塚原直貴(富士通)が加わったチームだった。
 メダルをあと一歩で逃した土江副部長は2006年に引退し、後進の指導に尽力。メダルへ向け、バトンを受け渡すゾーン20メートルと、その前後各10メートルを含めた計40メートルをいかに速く走り抜けるかに着眼した。
 日本陸連科学委員会の分析チームに加わり、合宿で何度もタイムを計測してデータを解析。「40メートルを3秒75でクリアすれば、全体で日本記録(38秒03)をしのぐ37秒台が可能だという指標を選手に示した。具体的な数字があれば練習もやりやすい。ニンジン作戦だった」と振り返る。
 富士通の五輪帰国報告会が26日、東京都内で開かれたときのこと。所属の塚原と高平は銅メダルを外し、同社OBに当たる土江副部長の首にそっと掛けた。高平は「土江さんは、僕たちと同じものをずっと長く目指していた。このメダルは、いろんな人に掛けなければいけないものだと思っている」。銅メダル2つを胸に照れる先人の思いが、報われた。(了)

2008/08/30-06:00



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