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すべてを包み込んだスケール=「巨大」な五輪、フィナーレ〔五輪・ハイライト〕

 何もかも大きいスケールが、すべてを包み込んでしまったかのような北京五輪だった。トラブルはないに等しく、あったとしても、それはこの国が持つ力で難なく片付けられたのだろう。
 「事件」と言えば、中国の国民的英雄でもある陸上男子110メートル障害のアテネ五輪金メダリスト、劉翔が戦わずして去ったことくらいか。
 9万1000人という大観衆が見守る、サッカーのワールドカップ(W杯)規模の巨大スタジアム、国家体育場(愛称・鳥の巣)のスタートラインに、故障を抱えた劉翔は一度、立った。フライングで仕切り直し。大観衆はアスリートを後押しもすれば、重圧も掛ける。少なくともその場の劉翔にとっては、後者だったに違いない。そして、再び走ることはなかった。
 その2日前の深夜。9万1000人は陸上男子100メートル決勝に酔いしれた。ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が人類史上初の9秒6台を披露してみせた。「稲妻」と呼ばれる同選手はその後、22歳の誕生日前夜に200メートルでも世界新記録を樹立。大観衆は「ハッピーバースデー」の合唱で祝福した。
 陸上が始まった日から、日本の秋晴れを思わせるような青空が広がった。大会前半、どんよりとした曇り空が続いたにもかかわらず。そこには、人工的に降雨を避ける、あるいは先に雨雲をつくって一雨降らせてしまう特殊技術があったかもしれない。それも、この国のパワーなのだろう。
 ボランティアは合計170万人。例えれば、神戸市の人口(約153万人)を軽く超えてしまう。各国の選手も役員も、報道陣も、行く先々で「ニイハオ」と笑顔で迎えられた。約11万人もの警備陣がガードして、期間中の平和を死守。「巨大」過ぎる−。今後、おそらくどこもまねができないスポーツ祭典は、盛大なフィナーレで幕を閉じた。(北京時事)
(2008/08/24 23:26)

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