時事通信社
サッカー

なでしこ両輪、有終の美へ=行動力の沢、しっかり者の池田〔五輪・サッカー〕

 【北京21日時事】北京五輪サッカー女子の3位決定戦、日本−ドイツが21日午後6時(日本時間同7時)から当地の工人体育場で行われる。日本女子初の銅メダルが懸かる一戦は「なでしこジャパン」の大会最終戦。主将の池田浩美(32)=TASAKI=と実績では国内随一のエース沢穂希(29)=日テレ=の両輪が、静かに燃えている。

 ◇沢「もう走れないくらいに」

 18日の準決勝で、目標としていた米国戦初勝利、あわよくば金メダルの夢が消えた。試合終了後のピッチで、沢は選手一人ひとりに握手を求めた。「悔しいのは分かる。でも終わったわけじゃないから」。いつもは言葉少なに、プレーで引っ張る大黒柱が若手を励ました。一番悔しいのは、誰よりもキャリアのある自分なのに−。何度落ち込んでも、次の目的に向けてすぐに立ち直ること。その大切さを、実体験として知っているからだ。
 1993年に15歳で国際Aマッチに初出場し、通算143試合で72得点。だが米国、ドイツの世界2強を破った喜びの味は知らない。五輪のメダルの感触も。「最後の試合は、もう走れないというくらいに走りたい。わたしたちは挑戦者。相手を恐れずにやればいい」。強気な言葉は変わらないが、大会前に比べて肩の力が抜けている。

 ◇「最後の五輪」引退も視野−池田

 旧姓磯崎の池田は、97年に代表デビュー。センターバックとして闘志いっぱいに体を張る守備力に加え、「しっかり者」と評判の人柄でアテネ五輪から主将を務める。試合前のミーティングでは、佐々木則夫監督が冗談で選手をリラックスさせたあと、池田が的確な言葉で締めるパターンだ。
 昨年職場の同僚と結婚し、現役選手としての引き際を考え始めている。「ドイツに勝つか負けるか、自分の気持ちは終わってみなければ分からない。でも最後の五輪ということは確か」とも。1次リーグのノルウェー戦前には「代表10年間のすべてが懸かる」と気持ちを高ぶらせて、勝ち抜いた。1カ月以上共同生活を続ける仲間と、五輪の6試合目を迎える。
 ドイツ戦の試合終了直後、ピッチ上でどうしていたいか聞いてみた。池田は穏やかに言った。「うれしくて泣けたらいい。負けたとしても、自分を出し切ってボロボロになっていたい」(了) (2008/08/21 06:14)

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