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勝ちへの執念、頂点極める=「努力の天才」力発揮−石井選手〔五輪・柔道〕

 【北京15日時事】勝ちへの執念で栄冠を手繰りよせた。15日の北京五輪柔道男子100キロ超級。石井慧選手(21)が金メダルを手にした。集中し、すきはない。「誰よりも強くなりたい」。初の大舞台でその力を世界に示した。
 大阪府茨木市出身。小さいころから「子分」2、3人を連れ歩くやんちゃ坊主。小学5年ごろから父義彦さん(50)に柔道を習い、清風中(大阪市)進学後、本格的に始めた。
 自室の壁には小学校時代に書いた「世界一になる」の目標。中学1年の文集には「将来の夢はオリンピックでの金メダル」とつづった。清風高に進んだが、「もっと強くなりたい」と、東京の国士舘高校に編入した。
 「サボってるやつは嫌い」「人付き合いは狭く深く」。強い選手を見つけては胸を借り、伝統の「一本」より勝ちにこだわってきた。
 中学時代の担任金井袈裟義さん(67)いわく「努力の天才」。高校生と自主的に毎朝走り、多いときは一日8時間練習した。入学時は柔道部で4、5番目の強さが、卒業近くには敵なしだった。
 あこがれの戦国武将上杉謙信が信仰した毘沙門天の文字を帯に入れ、年始めの祈とうにも帯を持っていく。気の流れをよくしてけがをしないよう、気功も勉強した。
 強さと繊細さを併せ持つ。「大きなことを言うのは自分を鼓舞するため。本当はナイーブ」と金井さん。国士舘中、高の川野一成校長(64)は「横柄に見られるが、ぶきっちょ。勝つことに誰よりも貪欲(どんよく)で、形やスタイルにこだわらない。今までにないタイプ」と評する。
 異色の柔道家が、「世界一」への階段を一気に駆け上がった。(了)
(2008/08/16 02:18)

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