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攻めて、攻めた塚田=天敵を追い込みながら金逃す〔五輪・柔道〕

 4月の全日本女子選手権で、史上初の7連覇を果たした塚田。国内では無敵の存在だけに、その目はおのずと世界を向く。アテネ五輪は日本選手で初めて最重量級を制したが、「重荷ではない」とあっさりしたものだ。
 理由がある。アテネは運で取れた金メダルだと思っている。大本命の中国選手が敗れる波乱で、対戦がなかったためだ。パワーで押す巨漢の中国選手を苦手とする塚田に、勝ち取ったという意識はない。「前回は前回、今回は今回。誰にも負けたくない気持ちだけ」
 アテネ翌年の世界選手権。別の中国選手、※(※=にんべんに冬)文に準決勝で完敗した。ジュニア時代からよく知る選手。気後れするのか、ほとんど抵抗できないまま一本負け。五輪女王の姿はなかった。挑戦者としての目標が定まった。
 昨年の世界選手権決勝で再び顔が合った。ここでは揺さぶりに動揺せず、圧力をうまくさばいた。互角の展開だったが、塚田も技が出ず指導の差で惜敗。「差は縮まったのかと思いがちだが、指導の壁は大きい」。だが、手応えはつかんだ。
 右足甲の痛み、左足親指の裂傷。北京までの道のりは順調ではなかった。練習が積めず、落ち込んだことも。気分転換はドライブ。クリーム色の小型のドイツ車に乗り込む姿はほほ笑ましい。
 北京は4年間の自分自身の成長を確認する場だった。「アテネから世界の柔道は変わっている。守る立場じゃない」。攻めて、攻めた。結果、金メダルは寸前でさらわれた。だが、成長の証しは十分に見せた。(北京時事)
(2008/08/16 00:01)

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