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するりと逃げた連覇=塚田、「あと8秒」の悲劇〔五輪・ハイライト〕

 あと8秒。塚田にとって悔やんでも悔やみ切れない時間だった。念願だったライバル※(※=ニンベン冬)文との五輪での決勝。ほぼ勝利をつかみかけた瞬間、するりと連覇が逃げた。
 塚田の強い気持ちは十分に伝わった。準決勝の前に痛めた右足甲に痛み止めを打った。決勝までを3試合連続一本勝ち。気迫が満ちていた。※文に組み手を許さない。前に前に圧力を掛ける。左から大外、小内と足を出し相手を止めた。
 1分半過ぎ。組み際の足技で有効を先制。塚田の気迫に押された※文が下がる。指導を受けてさらにポイントが広がる。残り1分を切っても塚田は攻めの姿勢を崩さない。誰もが「終わった。勝った」と思った瞬間、落とし穴があった。
 組み際のちょっとした甘さを突かれた。相手得意の一本背負いにごろりと転がされた。大歓声に沸く館内。畳に突っ伏し、しばし動けなかった。大興奮のなか、静かに畳を降りた。涙があふれてくる。「あれが自分の実力です…」。まさかの悲劇を受け止めた。
 ※文とは、過去に2度の世界選手権で敗れている。ここを目標に北京を目指した。「自分の持っているもの、すべて出して勝負したかった。出し切ったと思います」。涙で声にならなかった。(北京時事)
(2008/08/16 00:01)

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