時事通信社
競泳,水球

健常者に交じり16位=南ア選手−オープンウオーター〔五輪・ハイライト〕

 【北京20日時事】「すべてをささげた夢のレースが終わり、晴れやか」。20日、北京五輪の水泳オープンウオーター女子10キロ。事故で左足を失い、開会式では南アフリカの旗手を務めたナタリー・デュトイト選手(24)は25人中、トップに約1分22秒差の16位でゴールした。
 泳ぎ終わると、義足を付け、笑顔でチーム関係者と抱き合った。「これからも健常者と競わなければならない。2012年(ロンドン五輪)は5位入賞を目指したい」。力強い言葉だった。
 ホームページなどによると、デュトイト選手はケープタウンで生まれ、兄の後を追って水泳を始めた。16歳で2000年シドニー五輪の出場を逃した後の01年2月、練習後にスクーターで学校に向かう途中、自動車にはねられた。
 数日後、左足のひざ下が切断された。気付いていないデュトイト選手は「いつ手術をするの」と母に聞いた。「もう切ったのよ」と応える母。麻酔で霧がかかったような意識の中、理解した。
 次の日にはベッドを出た。「一日4時間泳ぐ生活に戻りたかった」。5月に練習を再開。02年、健常者の英連邦競技大会で女子800メートル自由形決勝に進出した。
 05年にオープンウオーターの五輪採用が決まった。デュトイト選手は五輪に出るチャンスがきたと感じ、この種目に焦点を合わせた。08年5月の世界選手権で4位に入り、北京五輪の出場権を獲得した。
 「悲劇はゴールにたどり着けないことではない。たどり着こうとするゴールを持たないことだ」。事故の前、コーチがくれた読み人知らずの詩が今では座右の銘だ。(了) (2008/08/20 13:29)

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