時事通信社
ソフトボール

鉄腕エース、大願成就=上野、「金」の連投−ソフト〔五輪・ハイライト〕

 7回2死一塁。走者は気にしなかった。仲間が総力を傾けて奪ってくれた2点のリード。「ボール球を振らせることだけを考えた」。エース上野はこん身の投球で守り切った。肩車の上で宙に向かって腕を突き上げた。
 1回、不運な当たりが上野に襲い掛かる。1、2番が当たりそこねの連続内野安打。この無死一、二塁を無失点で切り抜けたことで日本の流れを呼び込んだ。疲れからか110キロに満たない速球を外角低めに丁寧に集めて、後続を断った。
 4回、雨のため中断。再開後、4番バストスに1点差に詰め寄られるソロ本塁打を浴びた。流れが米国に向かったかに見えたが、呼び戻すすべは心得ていた。後続をぴしゃりと抑える。6回1死満塁のピンチも、勝ちたいという気迫が勝った。
 「マウンドで鳥肌が立ちました」。世界一の瞬間をそう表現した。崩したくても崩れなかった米国の壁。前日の準決勝では延長9回で屈した。「逆に投げさせてもらったことで、きょうの投球になった」
 強豪相手に2試合の延長戦と決勝の大舞台を一人で投げ切った。打線も最後に応えてくれた。「コンディショニングがうまくいった。まだまだ投げられる感覚がある」という。
 初めて上る表彰台。選手一人ひとりの名前が呼ばれ、念願の金メダルが首にかけられた。大歓声に向かってメダルを掲げ、右手の指を一本天に突き上げた。涙は似合わない。届きそうで届かなかった金メダルが胸に輝いた。(北京時事)
(2008/08/22 00:16)

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