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師匠が変えた卓球人生=「超個性派」の素質開花−福岡選手〔五輪・卓球〕

 初めての五輪で世界の壁に挑んだ卓球女子の福岡春菜選手(24)。親元を離れて卓球の名門中学に進んだが、付いていけずにやめようかと考えた日々。1人の「師匠」との出会いが素質を開花させた。
 地元・徳島市のクラブで卓球を始めた福岡選手は、大阪の四天王寺中に進学した。小学生のころとは全く違う高いレベル。試合にも出られない。時間制限のある寮の電話から母知子さん(49)に沈んだ声でよく電話をかけた。
 2年生になり、中学の卓球部監督の紹介で、作馬六郎コーチ(68)の元に通い始めた。ボールに回転を付けてするどく変化させる「王子サーブ」の考案者だ。
 授業を終えて毎日3時間の練習をした。練習場が早く閉まるため、有力校に比べて半分の時間。福岡選手は他の選手が休憩を取る間も、1人でできるサービスの練習に黙々と取り組んだ。数カ月後、全国の大会でベスト4に入る。作馬さんは「福岡は後がないという感覚だった。1つのヒントを与えると3つやる。先入観がなく、強くなるのは早かった」と振り返る。
 1年後、福原愛選手(19)も通うようになり、2人で10数分間の集中ラリーなどの練習をこなした。作馬さんは「愛ちゃんの母が時計を計り、遅いと怒る練習で、ためになった。福岡に愛ちゃんとの出会いは大きかった」
 福岡選手はいま、世界で最も多い16種類の王子サーブを駆使する「超個性派」の選手に成長した。北京五輪代表になっても、作馬さんの元で合宿を行った。知子さんは「しつけや常識も指導してもらった。それがあの子に良かった」と話す。
 観戦に来た作馬さんは17日の女子団体3位決定戦を最後に帰国。福岡選手は「師匠にメダルを掛けることが夢だった」とほおをぬぐった。(了) (2008/08/20 05:33)

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