時事通信社
レスリング

アテネで燃え尽き、再起=最後の舞台で惜敗−池松選手〔五輪・ハイライト〕

 【北京20日時事】4年前のアテネ五輪の後、燃え尽き、再び立ち上がった。レスリング男子フリースタイル66キロ級の池松和彦選手(28)。20日の北京五輪で初戦敗退し、最後の舞台を去った。
 福岡県筑前町の酪農家の長男。もの静かで、スポーツとは無縁だった。中学校では柔道部に所属し、レスリングが盛んな三井高校へ。1年生の九州大会で2位に。大学では学生王者になり、2003年の世界選手権で銅メダルを獲得した。
 自分で考え、こつこつ努力するタイプ。一直線に目指したアテネは、試合終了間際に逆転負けして5位に。その後、無力感に襲われ、道場から足が遠のいた。「タックルの意味が分からない。燃え尽き症候群のようだった」。
 昨年3月に修了した日体大大学院では「レスリング選手におけるバーンアウトとソーシャルサポートの関係」の論文を執筆。選手ら約150人に調査し、自らも顧みた。
 同夏に消化器官系の病気で入院。退院後、細くなった脚でトレーニングを開始し、同12月の全日本選手権で優勝、3月のアジア選手権で3位に食い込んで出場枠を獲得した。
 シューズには黒と白の色を入れた。「レスリングに白黒をつけたい」。7月には大学の同級生の由紀さん(29)と入籍、10月に式を挙げる。
 「北京でメダルを取り、指輪代わりにしたい」。妻由紀さんには19日、「最後にすると思う」と伝えた。夢はかなわなかったが、試合後、「自分なりに頑張ってきた。後悔はない」と淡々と話した。(了)
池松和彦(いけまつ・かずひこ)由紀(ゆき) (2008/08/20 13:49)

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