時事通信社
陸上
五輪特集トップ陸上>指定記事

無念のみ込む佐藤選手=亡母と妻に誓った舞台−男子マラソン〔五輪・陸上〕

 【北京24日時事】24日の北京五輪男子マラソンは佐藤敦之(30)選手にとって厳しい結果になった。完走選手中最下位の76位。「力不足です」。深い思いを抱いて踏んだ舞台の結末を、静かにのみ込んだ。
 「母さん、北京オリンピックに行くので見ていてください」。3年前、乳がんで亡くなった母美枝子さんの告別式で誓った五輪出場だった。中学で本格的に陸上を始め、走ることだけの生活。早大3年では約2カ月体調を崩した。「僕はどうしてこうなのか」。相談相手は常に母だった。
 昨年、アテネ五輪代表で女子800メートル日本記録保持者の美保さん(30)と結婚。夫婦で北京出場は成らなかったが、前向きな美保さんが同選手を支えた。昨年12月の福岡国際マラソンでは、給水ボトルにメッセージを張った。「前半落ち着いて」「ゴールで笑顔で待ってる」。3位に入り、代表候補に名乗りを上げた。
 24日、最後に佐藤選手が国家体育場に現れた。観客の温かい声援に後押しされてゴール。二度、頭を下げた。美枝子さんの写真を胸に沿道などで声援を送った美保さん。「あきらめず競技場に戻ってきた姿にほっとしました。お母さんもどこかで見ていてくれたらと思います」(了)
佐藤敦之(さとう・あつし)美枝子(みえこ)美保(みほ)
(2008/08/24 16:20)

記事一覧



北京五輪名場面集